多而不厭~多くても邪魔にならず

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久しぶりにこのシリーズを書きます。

香十徳

感格鬼神 清淨心身
能除汚穢 能覺睡眠
静中成友 塵裏偸閑
多而不厭 寡而為足
久蔵不朽 常用無障


香十徳という漢詩の中に「多而不厭」という一文があります。
これは、多く用いても邪魔にならない。という意味です。

お香というのは本当に難しいものです。
最近私は、お香に関する本をたくさん図書館から借りて読みましたが、その中に「芳香と悪臭の違いとは何か」についてありました。

芳香と悪臭の境界は、濃度によって簡単に超えることができるのだそうです。

それを読んだ私の脳裏に蘇ったことがあります。
それはラベンダーの香り。

ラベンダーの香りは少量であれば、リラックスしたり安眠へといざなう力が働くのですが、量が増えると反対に覚醒作用があるそうなのです。

まさに「さじ加減」の世界ですね。

お香が「多くても邪魔にならない」というのは、元々の香りがそれほど強烈ではないから成立するのだと思います。

これが香水であればそうはいきません。
1プッシュの時には幽かに香り、2プッシュの時には香りの輪郭がつかめて香りの性質が理解できる。
けれど調子に乗ってどんどんつけていたら、香害となり、頭痛や吐き気の引き金になりかねません。

私は精油をブレンドしていますが、ブレンドファクターには細心の注意を払います。
3滴でOKでも4滴で過剰になることは非常によくあります。

その過剰さは、単に精油の性質に原因がある訳ではなく、湿度や気温とも関係しています。
香り立ち、そして液体としての保存可能な時期とも絡みます。

粉状の塗香、木片の香木、液体としての精油。
それぞれに違う変化を見せてくれますが、學ぶことは多いです。

その日の天気が違えば、同じ香りでも一期一会なのです。
しかし、この漢詩にあるように香木の刻みの場合は、正しい熱の当て方をする限り「多くても邪魔にならず」なのです。
そこに到達するまでに、私は半年以上も掛かりました。



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by jiyuu-fudou | 2017-05-09 17:00 | 慈優からの手紙

金剛山赤不動明王院 後藤慈優~2015.3.03真澄心理開発研究所を立ち上げました。


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